【目次】
最近ではカルメラを見る機会はめっきり減りました。その理由として、カルメラ弟分が失敗を連発したように、作り方の難しさがあるようです。
カルメラについて、テツは日本料理と思っている(40巻6話)ようですが、実はポルトガル発祥のお菓子です。日本に上陸したのは室町時代後半で、金平糖、カステラ、ポーロとともに「南蛮菓子」の一種として伝えられました。
なお、20巻236頁に登場する花井拳骨氏命名の看板「加留女衣良」は江戸時代の百科事典『和漢三才図会』(寺島良安・1712年編纂)のからの出典で、『和漢三才図会』ではカルメラについて「浮石糖。加留女以良。蛮語也(和名では「浮石唐」。「加留女以良」は南蛮の言葉)」と記載されています。
すでにカルメラについては堅気屋倶楽部で長友馨氏が実践報告をされていますので、長友氏の報告を元にレシピをまとめてみました。
●材料(1個分)
ただし最初は失敗しやすいので下の分量よりも多めに用意するといいでしょう
- 粗目の砂糖(じゃりン子チエでいう「きざら」):大さじ2杯
- 重曹(じゃりン子チエでいう「ふくらし粉」):適量
- 水:大さじ1杯
- 「おたま」とかき混ぜる棒(かき混ぜ棒は割り箸3~4本を輪ゴムで束ねたものでよい)
- 固く絞った布巾
●下ごしらえ
- 量を多く作る場合は、上の分量の等倍分の粗目と水を用意し、あらかじめ溶かしておきます。ただし、この時点で重曹は入れないこと!!
- 水の量に対して、粗目の量が多いのですが、カルメラは基本的に「砂糖」だけのお菓子なので、無理に減らさないこと。
- 重曹は小皿に盛っておきます。
●作り方
- おたまに粗目大さじ2杯、水を大さじ1杯を入れる(または上記Aで作った砂糖水を大さじ2杯)。
- コンロを弱火にして、その上におたまをかけ、こぼさないように、割り箸でかき混ぜる(夏場は熱い!!)
- おたまの中が泡立って、トロトロしてきたら、火を止めて、おたまを布巾の上に置く(このタイミングが難しい!!)。
- そして、かき混ぜ棒の割り箸の先に重曹を着け、5秒ほど、一気におたまの中をかき混ぜる。
- すると、おたまの中が白っぽくなるので、その瞬間に割り箸をスッと抜く。
- この時点で、うまくできていれば、ゆっくりと膨らみはじめます。そして30秒ほど冷ましておきます。
- 膨らめば、またおたまを火にかけます。おたまの縁のカルメラが溶け始めると、すぐに皿の上にひっくり返します。
- これで完成!!…のはずです。
●ポイント
- 失敗作は、上記7番目の行程を経て、おたまから取りましょう。
- 再びカルメラを作る場合は、かき混ぜ棒の先に付いている砂糖を取り除いて再挑戦してください。
- 失敗作はコーヒーや紅茶の砂糖として使えます。捨てないようにしましょう。
ハッキリと言って初心者は必ず失敗します。これは材料やタイミングよりも経験や勘がものをいうようです。
したがってカルメラを焼かずして、カルメラ弟分を笑う資格はないと言っても過言ではないでしょう。
なお、カルメラ道を極めたい人は『カルメ焼きはなぜふくらむ』(高梨賢英著、さ・え・ら書房)という本が出ていますので、参考にしてください。
(調理/情報提供:長友 馨)
Tweet