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■じゃりン子チエ時代考証 原作周辺情報
 『じゃりン子チエ』には大阪弁以外にも、登場人物が時折、語る古い映画や変わったたとえ話が実に多くあります。
 たとえば、おバァはんがチエと一緒にマラソンをして、唯一チエに勝てると言った「ザトベック」とは何者なのか。テツがラブレターのペンネームに用いた「市川雷蔵」とは…。これらを無視して読んでも十分に面白いとは思いますが、さらに、これらを解読することによって、面白さをパワーアップさせることができます。
 原作を読んでいてわからない表現が出てきたら、ブラウザの「文字列検索」機能を用いて調べてみましょう。愛読者にとって、この頁は保存版です!!

※小鉄=「どらン猫小鉄」 番外=「じゃりン子チエ番外篇」

周辺情報 出典
▼ホルモン
 戦前、大阪で洋食レストラン「北極星」を営んでいた北橋茂男は、毎日捨てられる臓物で料理は作れないかと画策。試行錯誤の結果、煮込み料理、グラタンなどにして調理する方法を編み出した。試験的に店に出したところ人気メニューとなり、北橋は一連の臓物料理を「ホルモン」料理として1940年に商標登録した。しかし他の店でもホルモン料理を真似るようになり、現在に至っている。
 「ホルモン」の語源が「放る物」に由来するというのは俗説で「食べると体内に活力を与える」ところから体内で生成される生理的物質「ホルモン」に起因している。
 ちなみに北橋亡き後も「北極星」は現在も大阪で営業している。
(96年9月17日放送、毎日放送テレビ「あまからアベニュー」による)
▼ヨシ江が子供の頃、金閣寺が焼ける
 ヨシ江「新聞に大きく出たんよ」
 テツ「そんなこと知るかい」

※1950年7月2日未明、国宝・鹿苑寺金閣が全焼、同じく国宝の足利義満座像も焼失した。放火したのは、同寺の徒弟で大谷大学1年生。動機は「炎上した金閣の中で死のうと思った」。
 後に、三島由紀夫が、この事件を題材にした小説『金閣寺』を発表
 1巻 37頁
▼ヨシ江は、金閣寺全焼事件を題材にした映画を友達と見に行く
※三島由紀夫『金閣寺』の映画化。映画のタイトルは『炎上』
 1958年8月に封切。市川崑監督。主演は市川雷蔵。ほかに中村玉緒、仲代達也らが共演。
▼チエは市川雷蔵を知っているが「ウチは好かんなぁ」
 その理由は「あの人、すぐ、女の人に、やらしいことするもん」
 テツと「眠狂四郎大会」を見にいっている。

※市川雷蔵…1931年生まれ、1954年に映画デビュー。1961年、井原西鶴原作の『好色一代男』の主役・世之介を演じる。釭世之介
※眠狂四郎…市川雷蔵主演の映画シリーズ。(1963~69年)
 1967年封切の「眠狂四郎女妖剣」に女性の全裸シーンがある
 1967年「眠狂四郎魔性の肌」、68年「眠狂四郎女地獄」、
 1969年「眠狂四郎悪女狩り」など
 1巻 38頁
▼チエ「明日はまた明日の太陽がピカピカやねん」
※映画「風と共に去りぬ」の中の名セリフ「明日は明日の風が吹く」のパロディー
 詳しくは、このコマの背景に注目。
 1巻 80頁
▼小鉄の名前案「さおとめもんどのすけ」
※時代劇映画『旗本退屈男』シリーズの主人公。主演市川右太エ門
 1927~65年まで40作のシリーズがある。額に向こう傷がある。旗本・早乙女主水之介が悪者をやっつける勧善懲悪の時代劇。早乙女の衣装が派手。
※漫才師・西川のりおのギャグにも「パッ、天下御免の向こう傷、拙者、早乙女主水の介~」というのがある。
 1巻 83頁
▼百合根「ゴジラ壊しのアントニオちゅうたら近所や有名やもんね」
▼菊「ゴジラやアンギラスではなさそうでんな」
▼ジュニア「ラドン飛び交う太古の宴」
▼テツ「ゴジラはこわい~」
▼テツ「ゴジラはこわい~」
▼菊「ちょっとゴジラの相手したりまひょか」
 テツ「来たな~アンギラス」
▼テツ「ゴジラみたいな奴やなぁ。死んだと思て安心したら、急に元気になって、あばれ出しよるもんなぁ」

※ゴジラ…1954年に1作目が封切。核実験による突然変異で生まれた怪獣。シリーズは1995年まで制作され、世界を代表する日本の怪獣映画となる。 ゴジラとは、ゴリラとクジラの合成語。
※アニメ映画「じゃりン子チエ」は東宝配給と言うこともあって、実写でゴジラが登場。おまけにとぼけた顔の「ゴジラの息子」が登場する。
 1巻 92頁
 3巻190頁
10巻 25頁
16巻104頁
16巻124頁
16巻223頁
27巻 10頁
▼テツ、テレビを見て「百恵ちゃ~ん」と声援を贈る。
※山口百恵…1970年代に一世を風靡したアイドル歌手。1980年10月、結婚を理由に芸能界を引退。当時、雑誌のインタビューで 「無人島に本を持っていけるとしたら、どの本を持っていくか」との問いに「チエちゃん」と答えたとか。お互いにエールを交換した特異な例。
 1巻100頁
▼小鉄とジュニアの相撲を見ていたチエ「ものすごいな富士桜と麒麟児みたいや」
※富士桜と麒麟児…1970年代後半の好取組。
※富士桜は立ち会いからの「ぶちかまし」が得意。勝っても負けても、真っ向から堂々と相手にぶつかっていく取り組みは人気を呼んだ。「突貫小僧」という威名がある。
※麒麟児…回転の早い突っ張りを主体とする、突き押しが得意。
 3巻 88頁
▼小鉄のべったんの図柄「北の湖」
※北の湖…1972~85年まで相撲界で活躍。当時は史上最年少21歳の若さで横綱に昇進した。幕内優勝24回、804勝247敗という大記録を作る。双葉山、大鵬と並んで「昭和の大横綱」と称される。
 3巻209頁
▼テツの歌「虎のふんどし」
※「虎のふんどし」は第二次世界大戦中、出兵する男子に「無事帰還するように」との思いを込めて、虎の絵を描いたふんどしを持たせた。虎は千里を往復するという中国の言い伝えから。
 4巻 48頁
▼おバァはん「人工衛星が上がったとか、栃錦が横綱になったとか、南極でタローとジローが生きとったゆうのどうだす」
※人工衛星…1970年2月11日、東京大学宇宙航空研究所が、国産初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げに成功する。
※栃錦…新弟子検査のとき、ご飯と水を腹一杯詰め込んで、当時の規定ギリギリの71.3kgで合格。初土俵は1939年1月。 途中兵役をつとめるが、1947年6月に新入幕を果たす。入幕時の体重は80kg。1954年9月、大関で4回目の優勝を果たして横綱昇進。1950年代は好敵手若乃花との争いで相撲界に「栃若時代」を築く。1960年5月に引退。後に相撲協会・春日野理事長として、相撲の普及、発展に功労。
※タローとジロー…1959年2月14日、南極観測越冬隊が引き上げる際に、基地に15頭の樺太犬を置き去りにして帰国した。1年後の60年1月14日、再び南極に派遣された越冬隊は、15頭の犬のうち、丸々と太って生存していたタローとジローを発見。 南極の厳寒地で犬が334日も生存した例はなく、このニュースは全世界の人びとを感動させた。もともとは北海道の魚市場で捨て犬になりかけていた犬。今でも剥製が、東京と北海道で一般公開されている。これを題材にした映画『南極物語』は1983年公開。
 6巻158頁
▼元ウエルター級1位のプロボクサーのリングネーム・ワイルド蛮地
※「ワイルドバンチ」1969年に作られたアメリカの西部劇映画の題名
 8巻 56頁
▼カルメラ兄が歌おうとした曲名「網走番外地」
※同名映画の主題歌。高倉健が歌った。
 9巻243頁
▼テツ「からたち日記」を歌う。
※1958年のヒット曲。島倉千代子が歌う。
10巻 22頁
▼菊「いつかありましたやろ、毒入りチョコレート」
※毒入りチョコレート事件…1977年2月14日、東京駅八重洲地下街に致死量の青酸ナトリウム詰め込んだチョコレート40箱が発見される。 この事件による被害者はいない。これより1ヵ月前の1月4日、東京品川の公衆電話ボックスに青酸ナトリウム入りのコーラが置かれ、 これを飲んだ高校生と無職の男性が死亡するという事件も発生。いずれの事件も未解決のまま1992年に時効を迎えた。
※グリコ森永事件は1984年に発生。青酸入り菓子が報道機関や関西のスーパーに置かれたのは、原作に、この記述が書かれた以降の出来事。
11巻184頁
▼ジュニア「おまえ(小鉄)もゆうことが古いなあ。三笠に上がったZ旗の錦絵見たことあるんとちゃうか」
※「三笠に上がったZ旗」…日露戦争の時、日本海軍が戦艦「三笠」などに掲揚した作戦開始の合図の旗だそうです。(情報提供=青木浩郎様)
11巻198頁
▼テツが子供の頃、巨人のカワカミが打ったホームランの打球が、テツの頭に直撃する。
※川上哲治…1947~58年に活躍した巨人の選手。使うバットが赤かったことから「赤バット」、ポテンヒットが多いことから「テキサスの哲」などという威名を持つ。生涯成績181本塁打2357安打、1979試合に出場、三振はたった422回しかない。そのため「ボールが止まって見えた」という名言を残す。
 その後巨人の監督を勤め9年連続日本一などの記録を作る。現在はNHK専属の野球解説者。
13巻127頁
▼レイモンド飛田「ワシら蟹工船みたいな生活しとるんやで」
 チエ「な…なにみたいやて…?」
 レイモンド飛田「ワシが若い時見て涙流した映画や」
▼小鉄「まるで蟹工船みたいや」

※蟹工船…小林多喜二の同名のプロレタリア小説を題材にした映画。1953年9月に封切。
13巻129頁
22巻207頁
▼テツ「トテチテタ~」
※トテチテタ…江戸時代末期にフランス人が日本人に信号ラッパを日本人にわかりやすいように教えるための音階。よく童謡の歌詞にも登場する。今のドレミ。
14巻99頁
▼スフィンクスの釜虎「一部の連中は月の輪の雷蔵というより河内のネロと呼んどるで」
※ネロ…古代ローマ皇帝の名前。在位中、自分の母や妻を殺害。またキリスト教徒を迫害し たので「暴君ネロ」という威名を持つ実在の人物。
14巻233頁
▼テツ「ワシが鑑別所入ってた時(菊は)ミツルのオバはんと一緒に高田浩吉のワイシャツちぎりに行ってたんやど」
※高田浩吉…1930年代の映画スター。1935年ごろから人気が出る。戦前に多くの時代劇映画に出演。戦後は1950年のギャング映画『戦慄』で市川右太エ門と共演。1998年没
15巻 19頁
▼百合根「お前らの作ってるカルメラなんかサッカリンの固まりやんけ」
 菊崎「サッカリンでカルメラがふくれるのか」

※サッカリン…1900年に市販された最古の人工甘味料。砂糖の500倍の甘さを持ち、カロリーがなく、虫歯にならないなどのメリットから砂糖の代用として使われたが、1970年代後半にネズミを使った投与実験により発ガンが確認され、アメリカや日本では使用が禁止された。
ところが1999年になって、24年間、毎日、サルに投与し続けた実験結果が公表され、ガンが認められなかったことから、発ガン性物質ではないとの結論にいたり、現在は子供用風邪薬などの甘味を出すための添加物として使用されている(添加できる食品や使用量に制限あり)。
15巻 91頁
▼テツ「おまえら片岡千恵蔵の映画、見たことないんか」
 菊崎「タ…タラオバンナイやったら知ってるけど」

※映画『多羅尾伴内』シリーズ…片岡千恵蔵主演の探偵映画。この探偵はピストルを持っている。
41巻64ページのテツのセリフ「あの(る)時は近所のポリコマン、また、ある時は宿屋の客引き、そして、その実体は丸山君の後援会長さん」のセリフも、この映画から引用している。
18巻 63頁
▼小鉄「なんか、こぉゆうの昔、落語で聞いたような気がするなぁ」
▼小鉄「ああいう落語も聞いた気がするなぁ」

※前半は江戸落語「火焔太鼓」、後半は上方落語「はてなの茶碗(茶金)」
24巻189頁
24巻190頁
▼厄除屋「ハラエドのオオカミ、ハラエドのオオカミ、ハラエドのオオカミ」
※祓戸大神…罪や災いなどの汚れを取り払うために祀る神様。または祈り。
25巻 99頁
▼拳骨「おまえナラ山節考」とカン違いしとるんとちゃうか」
※長野県に伝わる「おば捨て山伝説」を作家・深沢七郎が1957年に『楢山節考』という題で小説化。1958年と83年に映画化される。
27巻 39頁
▼アントニオの東京での名前「世之介」
※井原西鶴の浮世草子『好色一代男』の主人公。11歳の頃から遊廓に通う。60歳で死ぬまで女遊びを楽しむ。
※1961年1月 市川雷蔵主演で映画化される。
27巻152頁
▼菊「カポネが入ってた刑務所から脱走するより、むずかしいでっせ」
※アル・カポネ…アメリカギャングの首領。禁酒法下、酒を密売し富を得て、その金を資金に、全米に犯罪組織を作る。逮捕後、刑務所の周囲は戒厳令状態となる。1947年に死亡。
28巻175頁
▼菊「アラカン…嵐寛寿郎。鞍馬天狗のことですやろ。わたいもアラカンのファンでしたんや。テツ生まれた時、杉作ゆう名前つけよかとも思たんでっさかい」
▼テツ「あいつ(逆根良夫)はアラカンが鞍馬天狗で、今でも馬乗って新選組とケンカしてると思とるんやど」
▼テツ、夢の中で「アラカンが杉作助ける一番ええとこに、ションベンしたなったら、えらいこっちゃ」
▼テツ、夢の中で「大黒屋テツ五郎」という悪人になり、百合根が新選組、カルメラが謹皇の志士として登場し、やっつけられそうになる。

※嵐寛寿郎の映画『鞍馬天狗』シリーズ 1928年7月に第1作がスタート。1954年まで23本の『鞍馬天狗』シリーズに嵐寛寿郎が主演。鞍馬天狗は常に黒覆面をしており、 幕末の謹皇の志士の仲間。鞍馬天狗は倒幕に協力する立場ではあるが、謹皇派と佐幕派の抗争の中で発生する不正を暴いていった。また、この戦いに巻き込まれた庶民、特に子供を救うために、どこからともなく、馬に乗って現れては事件を解決していく。
※杉作…鞍馬天狗が助けた子供。「杉作、日本の夜明けは近い」の名セリフもある。
35巻  4頁
34巻 57頁
28巻 90頁
42巻 41頁
▼玉ちゃん「板妻にそっくりの熊神源太郎ゆうのが、のちのわたいの亭主ですわ」
※坂東妻三郎…戦前、戦後を活躍した映画俳優。時代劇が中心だったが「無法松の一生」「王将」などで無垢な野人を好演。田村正和の父。1953年他界。
28巻232頁
▼猫の名前「エイハブ」「モービーディック」
※モービー・ディック…アメリカの小説家メルビル原作の長編小説の原題。日本では『白鯨』と訳される。巨大な白鯨「モービーディック」に片足を食いちぎられた捕鯨船の船長エイハブとの死闘を 描く。映画化された。
※29巻5~8話は、この「白鯨」のパロディになっている。
29巻 98頁
▼マサル「毒チクロのマッカッカの氷イチゴもお一杯」
※チクロ…シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウムのドイツ語読みの略称。人工甘味料の一種で、主に粉末ジュースなどの主原料として使われたが、発癌性があるため、1969年に使用禁止となった。
32巻 38頁
▼次郎丸「この中にメンタムが入ってるんでい」
※メンタム…近江兄弟社の家庭用塗り薬「メンターム」のこと。現在のロート製薬の「メンソレータム」は、もともと近江兄弟社で製造されていたが、商標権の期限が切れたので「メンソレータム」という商号が使えなくなり、品物は「メンソレータム」 でも「メンターム」と名付けて製造された。いわば元祖「メンソレータム」。今でも薬局で「メンソレータムください」というと「メンターム」を出してくれることがある。
32巻 38頁
▼テツ「今でもジョン・ウェインがアパッチとケンカしてると思とるんや」
※ジョン・ウェイン主演の西部劇『アパッチ砦』(1948年、アメリカ)
34巻 57頁
▼チエの宿題に取り組む態度を見てテツ「しかし……ファイティング原田みたいなやっちゃな」
※ファイティング原田…1962年10月10日、東京蔵前国技館で行なわれた試合で世界チャンピオン、タイのポーン・キングピッチ選手を倒し、19歳でフライ級世界チャンピオンの座を獲得した。 第1ラウンドからラッシュに次ぐラッシュでチャンピオンを圧倒、11ラウンド2分59秒、チャンピオンをKOした。1965年には世界ファンタム級チャンピオンにもなる。
34巻 93頁
▼テツ「思い切りこわいカタカナ」=コレラ
※1977年6月15日、和歌山県有田市で集団コレラが発生。患者9人が隔離。そのうち1人が死亡した。その後、患者は周辺市町村に広がり、WHO(世界保健機関)から「汚染地区」に指定される。 最終的には99人がコレラに感染した。
※1962年8月、コレラ騒動。台湾バナナからコレラが感染するという噂が広がり、神戸港で陸揚げされたバナナ1億6千万円分が自衛隊の火炎放射器によって焼却処分にされる。
34巻153頁
▼百合根「ワシ、ワイアットアープになってクラントン一家とも闘こうたし(中略)昨日なんか丹下左膳のマネまでしたんやで」
※ワイアットアープとクラントン一家…西部劇映画「荒野の決闘」の敵同士。ワイアットワープは保安官、クラントン一家は無法な牧畜業者という設定。(情報提供=鈴原千陽様)
※丹下左膳…林不忘原作の小説「新版大岡政談」の主役。映画化、テレビ時代劇にもなっている。 1970年のテレビドラマ版では丹下は柳生一派と「こけざるの壷」という物を奪い合う物語になっている。
36巻127頁
▼百合根「ワシ、この歳になってジライヤのガマやウルトラマンのマネだけはしたないんや」
※児雷也…歌舞伎などに登場する泥棒。「ジライヤのガマ」とは、児雷也が変身した姿(ガマガエル)。
もともと、中国の小説に登場する人物で、ガマガエルに変身した児雷也は、火を噴いて人々を驚かせる。
36巻130頁
▼野見山がヒラメを見て「まるで劉生の麗子像だ」
※岸田劉生の麗子像…洋画家が実の娘・麗子をモデルとした一連の「麗子像」という作品がある。「麗子像」「住吉詣」など。
36巻135頁
▼菊「室戸台風はちょっとこわかったでっせ」
※1934年9月21日、四国、阪神、大阪地区に大災害をもたらした台風。西成区では西部の津守地区が浸水する。
※1961年9月16日、台風18号は室戸岬に上陸後、阪神地区を通過。中心気圧930.9hPa、最大風速84.5mを観測
記録史上最強。台風のコースが室戸台風に似ていることから気象庁は「第2室戸台風」と命名した。死者202名、負傷3879名、建物全壊13292棟、被災世帯73万8千。
37巻 87頁
▼小鉄「しかし、気がつくと子供の大久保彦左衛門」
※大久保彦左衛門…徳川幕府成立を裏で支えた人物。歴史書などでは「大久保忠教(ただたか)」とも記されることがあるが同一人物。家康、秀忠、家光の3代にわたって幕臣として仕える。
39巻  5頁
▼悪徳旅行会社の社員「ゴロちゃんの目を見りゃマタハリやゾルゲだってイチコロにドロをはくぜ」
※マタ・ハリ…第1次世界大戦中に暗躍したドイツ諜報部の女スパイ。本名ではなく、フランスなどでインド舞踊の踊り子をしていたときの芸名。 彼女のファンに政治家や実業家が多いことに目を付けたドイツが、彼女を使って連合国の軍事機密を探ろうと考えたが見つかってしまい死刑判決を受けた。 1917年10月15日、フランスで銃殺。この話は映画にもなった。
※ゾルゲ…駐日ドイツ大使館顧問。1941年、日本の政府、軍事情報をソ連に密告したとして逮捕、44年に死刑が執行された。
40巻 46頁
▼レイモンド飛田「きっと、テツとは前世から仇同士やったんや。ワシがプレスリーやった時、あいつはきっとドーナツやったんや」
※プレスリーの死因はドーナツの食べ過ぎ。
41巻 66頁
▼テツ「相手がお化けやと、コケカキーキーでもこわい」
※コケカキーキー…水木しげるの漫画に出てくる妖怪の名前。吉本新喜劇の島木譲二が使う意味不明ギャグ。
41巻131頁
▼百合根「ワシはイモしか食えんでも世界記録をだしたフジヤマのトビウオじゃ~」
※フジヤマのトビウオ…1947年8月7日に開かれた全日本水泳選手権大会で日本大学の古橋広之進選手が400m自由形で世界記録を樹立。 2年後の49年、ロサンゼルスで開かれた全米水上選手権でも古橋選手は1500、800mで世界新記録、400mでも自己の記録を塗り替える世界新記録を立て続けに記録。 それから古橋選手は「フジヤマのトビウオ」というニックネームで呼ばれるようになった。
41巻214頁
▼百合根「マエハタガンバレ、マエハタガンバレ」
※1932年のロサンゼルスオリンピックの、200m平泳ぎのラジオ中継で、アナウンサーが連呼したセリフ。 この時、前畑秀子選手は、優勝者と0.1秒差で銀メダルに甘んじた。1936年のベルリンオリンピックでは、雪辱を果たし金メダルを獲得。
41巻218頁
▼テツ、クロスワードを解きながら「植木等がステテコで歌てた歌てなんや(中略)なんか分からんから、ちょっと、おまえ(ヨシ江)読んでみい」
※スーダラ節…1961年のヒット曲。植木等が歌う。歌詞の中の「わかっちゃいるけど、やめられない」は当時の流行語。青島幸男作詞。
44巻 46頁
▼テツやヨシ江が学校で飲まされた薬「マクリ」
※マクリ…珊瑚礁に生息する海人草(かいにんそう)という藻から抽出したアミノ酸(カイニン酸)を主成分とする回虫駆除薬。
44巻 49頁
▼菊「チエにマラソンで相手になるのはザトペックぐらいのもんでっせ」
※ザトペック…1952年、日本が戦後初めて参加したヘルシンキオリンピックで男子陸上5000m、1万m、フルマラソンの3種目で金メダルを獲得したチェコの選手。 この時のマラソン記録は2時間23分03秒2。当時男子マラソンで初めて2時間30分の壁を乗り越えた。「人間機関車」という威名もあり。
45巻 31頁
▼ロック、小鉄に向かって「転びバテレンのようなことを言うんじゃねぇ」
※転びバテレン…江戸時代、キリスト教禁止令のもとで、仏教に改宗した隠れキリシタンのこと。
※眠狂四郎の中で、眠狂四郎の父が「転びバテレン・イルマン」という設定になっている。
45巻155頁
▼百合根が、実家にあった横山大観の絵を売り飛ばし、今の家を買った。
※横山大観…日本画家。1958年没。
50巻197頁
▼花井拳骨「満漢全席 一等賞~~~」
※満漢全席…中国料理で最も贅沢なフルコース。
50巻197頁
▼菊「そらもぉ、バックスクリーン3連発ですわ」
 小鉄「なんや……タイガースが優勝したようなこの騒ぎ」

※1985年4月17日、甲子園球場で行なわれた阪神巨人戦で、ジャイアンツの槙原投手からタイガースのバース、掛布、岡田の3選手が連続してバックスクリーンにたたきこむホームランを放った。 この年、タイガースは優勝、日本一になった。
51巻 96頁
▼カルメラ兄弟「コ……コケツのコジは、コジをエンタツ」「アチャコは火事場のクソ力」
※エンタツ・アチャコ…戦前に活躍した漫才師・横山エンタツ、花菱アチャコのコンビ名。「しゃべくり漫才」の元祖
52巻 40話
▼3D本
※1993年に流行した本。普通の目では見えない絵(コンピューターグラフィックで処理した絵や文字)を、目の焦点をずらして見ると、絵や文字が浮かび上がって見えてくる。
59巻1~5話
▼ヤクザ主催の何でもせり市で出品された品
 「力道山のチョンマゲ」「徳川埋蔵金のありかを書いた地図」
 「大五郎の新車」

※力道山…1950年代に活躍した元相撲取り(関脇)。後にプロレスラーに転向。1954年2月19日、シャープ兄弟とのタッグマッチでプロレスブームを呼ぶ。 1963年12月8日、ヤクザに刺される。15日に死亡。得意の決め技は「空手チョップ」
・はるき悦巳氏の読み切り作品に「力道山がやってきた」(『ビッグコミック』80年5月号)がある。
※徳川埋蔵金…1871年、幕府勘定役だった小栗上野介は、徳川幕府復活のための資金を群馬県赤城村に隠した…という伝説が広まり、地元の住民が3代に渡り、私費500億円を投じて掘り続けていた。 現在の価値にして推定200兆円分が埋蔵されているといわれ、90年5月からはTBSがスポンサーにつき、その模様をテレビで放送するが、結局、発見できずに番組は終わった。
※大五郎…小池一夫原作、小島剛夕画の劇画『子連れ狼』の主役が乳母車に乗せていた子供の名前。1960年代後半『漫画アクション』連載。1973~76年にかけてテレビ時代劇にもなる。
59話11話
▼雷蔵「神様、仏様、稲尾様」
▼雷蔵「一番、高倉」「二番、玉造」「三番、豊田」「四番、中西」

※西鉄ライオンズ…かつて福岡・平和台球場を本拠地にしていたプロ野球団。その後、クラウンライター、太平洋クラブに売却され、現在は西武ライオンズとなった。
※稲尾…西鉄ライオンズの投手・稲尾和久(元ロッテオリオンズ監督) 1958年の巨人との日本シリーズで、3連敗後に4連投、しかも4連勝で西鉄ライオンズを日本一に導いた。
※打順…西鉄ライオンズが誇る、通称「流線型打線」。1950年代最強と言われた。一番に一発が打てるバッター、二番、三番に強打者、四番に最強打者を配置。ちなみに「流線型打線」の6番目に、現在のオリックスブルーウエーブの仰木監督が控えていた。
しかし、このセリフの合間に雷蔵は「あの頃は良かったですね」と言っている。雷蔵は一体何歳なのか?
※フトシ…西鉄ライオンズの強打者・中西太。
小鉄 58頁
小鉄 66頁
▼アメンボウの催眠術のかけ声「輪ッ輪ッ輪ッ、輪が三ツ」
※1950年代~60年代にかけてミツワ石鹸がラジオで流していたCMソング。
番外194頁
▼プロット
筋書きの構想。それらをまとめたメモ。

▼捨てネーム
※ネーム…漫画のコマ割りや割り台詞をメモしたもの。捨てネームとは、その不要部分。


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